読書状態: | 読み終わった | 期限日: | |
カテゴリ: | 図鑑 | 購入費: | 5184 円 |
テーマ: | 生物 | 入手日: | - |
タグ: | ミミズ, | 読了日: | 2014/11/30 |
公開度: | 公開 | 評価: | |
■ 蔵書メモ
フトミミズについて書かれた本。ミミズの実に95%ほどがフトミミズであり, その種の多さは特筆すべき点であるが, 驚くべきことに2割程度しか名称の決まった種は存在しないという。それもそのはずで, 本書を一目すれば分かる通り, フトミミズの種類を素人が判別するなど困難であると分かる。どれも普通のミミズが少し変わったかどうかというぐらいで, みな一様に「ミミズ」なのだ。気持ち悪くすらなってくる。
判別方法は色々あるが, 外見的な決め手となるのは以下の5つである。
1. 体の断面の形 → 円筒, 偏平
2. 環帯の形と位置
3. 剛毛の配置
4. 外部生殖器の位置
5. 背孔の有無
環帯とは成体の特徴であり, ふつう白く太くなっている箇所である。ミミズは雌雄同体であるため, 雌・雄性孔をもつことになるが, これらは性の外見的特徴であり, これをつかってミミズは交尾を行う。
環境的な違いでは土壌の深さによって生息するミミズの種類と特徴が異なっており, 表層種, 浅層種(30-100cm), 深層種(100cm-)と分かれる。また, ミミズの種類によって内蔵器官, 特に腸盲嚢などの形が異なるため, 通常ミミズの種類はこれらの因子を比較検討しながら決めることになるようである。
このように複雑であるため, 名称も適当に付けられただろうという種類もあり, ノラクラミミズやゴツイミミズなどの種類も存在する。クソミミズなどは名前がいかにもなアレだが, 通常はトグロを巻いたように丸まっているためこの名があてがわれたという。ユニークな事例である。フトミミズ屬の生物学的な記載はオランダの自然史博物館の学芸員であったHorst氏によって3種が記載されたことに端緒を欲している。その中に青黒い体色のシーボルトミミズがいる。
* フトミミズの採取は地層によって異なる。表層や浅い層は比較的採取が容易であるが, 深層は降雨時また事後に出てきたミミズを採取するか, または巣孔に7%のマスタード水溶液を滴下することで採取できるのだという。
* 採取後は夏場であればアイスボックスなどに入れて持ち帰る。
* ホタルミミズやイソミミズは発光することで知られている。
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