読書状態: | 読み終わった | 期限日: | |
カテゴリ: | 歴史 | 購入費: | 2916 円 |
テーマ: | 戦争記録 | 入手日: | - |
タグ: | 読了日: | 2014/04/10 | |
公開度: | 公開 | 評価: | |
■ 蔵書メモ
インドネシア国立文書館によるインタビュー調査を、インドネシアの2人の歴史学者が編集したものの翻訳で、テーマごとに落ち着いた筆致でまとめられています。インドネシアへ行って、インドネシアと日本の戦時中の関係を全く知らないことを恥じ、何か関連書籍がないかと探した時に目に留ったのがこの本でした。読みやすく、実際にインドネシアの人びとや気候風土に接した後だと、大変身近に感じられます。
戦時中に日本軍の手によって、インドネシアでも隣組、青年団、青年訓練所等が創設されていたことを知り、驚きました。その点では、社会教育史の資料ともなります。しかし、この本を読んでいると、70年も前の話とは思えません。「日本的なもの」は今も私たちの社会の中に生き続け、亡霊のように立ち現われています。本書を読みながら、戦時中のインドネシアの人びとの忍耐強い生き方に、非常に勇気づけられました。例えば啓民文化指導所など、日本人のボスはめったに事務所にやって来ないため、インドネシアの人たちは、上手に民族主義を鼓舞する講演会を開いたりしていたようです(宣伝部に大宅壮一がいたとの記述があり、大宅壮一の回顧録があるなら読んでみたいと思いました)。恐怖でインドネシアの人びとを支配した日本軍。その中でしたたかに独立の機運を高めた人々。彼、彼女らの生き方に学ぶところ大でした。
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