読書状態: | 読み終わった | 期限日: | |
カテゴリ: | エッセイ | 購入費: | 821 円 |
テーマ: | 生きる意味 | 入手日: | - |
タグ: | 読了日: | 2014/11/07 | |
公開度: | 公開 | 評価: | |
■ 蔵書メモ
面白くて一気に読んでしまった。かなり自由な生き方を貫いてこられた、感染症が専門のお医者さんの本。著者のように聡明でも努力家でもないけど、考えて来たことや生き方は自分に似ているところがあり、読んでいて安心したというか、背中をもうひと押しされた気分だ。
偉いと思ったのは、他者との比較によって規定される生き方をしない、という方針を高校生の頃から徹底しておられるところ。また、本書の中で一番印象に残った部分は、著者のロンドン留学時代に図書館で知り合った、死に物狂いで勉強していたアフリカからの留学生の言葉。「自分は〇〇国の役人で、国費留学でイギリスにいる。国には感染症など病気が蔓延しており、多くの人が死んでいる。健康教育が大切なのだが、識字率が低く、国民の多くは字が読めない。僕はここで教育を勉強して、国に持って帰って国民が字を読めるようにしたいのだ。僕は母国を救いたいのだ」(29頁)。――豊かになった日本で、何のために学ぶのか、生活のため以外にどんな高い理想を掲げ仕事に打ち込めるのかは相当の難問だと思う。
「学会発表より前に学術論文を書く理由」など、細部で、これが出来たら偉い!みたいなポイントは多々あったが、そうしたノウハウ的な部分以上に、巻末の「停滞や挫折を許容し、待つこと」などの話が心に沁みた。もともとTVがなく、新聞もめったに読まない私にとって、2章はくどい気がしたが、全体を通じ3部構成にした筆者の意図はよく伝わってくる。
目次
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