読書状態: | 読み終わった | 期限日: | |
カテゴリ: | 美術及び美術館 | 購入費: | 967 円 |
テーマ: | 未分類 | 入手日: | - |
タグ: | オランダ, | 読了日: | 2015/02/21 |
公開度: | 公開 | 評価: | |
■ 蔵書メモ
「ようこそ、アムステルダム国立美術館へ」を見て、オランダの民主主義に興味を持った。そして、集団肖像画がなぜ描かれたのかの意味をおぼろげながら知るに及んで、アムステルダム国立美術館に行ってみたくなった。絵を見るより、美術館を走り抜ける自転車を見てみたい、と言ったら怒られるだろうか。
熊澤さんの『レンブラント』は、残念ながらなぜ、オランダはそんな民主主義国家になったのか?という私の疑問には答えてくれていないけど、それは、この本の価値を下げるものではない。一般の読者向けに、平易な、しかし端正な文章で、レンブラントの生涯と制作年代に沿った作品解説が丁寧に続けられている。
特に嬉しかったのは、本文中で取り上げられている作品に、所蔵館名が書かれていることだ。へー、この館が持っていたんだ、とか、こんな美術館があるのか、という発見があり、ちょっとした旅行ガイドブックになっている。そして、レンブラントの作品が、欧米各地の博物館に散在していることが分かる。全部、見て回るのは大変! ”Writing about art”って、こういうことなのか、がよく分かる本でもある。特に、「夜警」の「槍や鉄砲、あるいは人の腕が画面上で平行に位置づけられることで、組織化された平行線が画面のバランスをとる効果を持っている」(178頁)の記述とか。
本書を読んでいる途中で、コメニウスの研究者から、「レンブラントの住居は、コメニウスの住んでいた場所とそれほど離れておらず、同時代の二人は知り合いだったという説が濃厚です」というメールをいただいた。頑張って、コメニウスへの言及がないか後半を読み進めたけど、残念ながら発見できず。
レンブラントが生まれた時代は、オランダがジャカルタに東インド会社を築いた時代でもあろう。レンブラントが海運業への投資でも失敗していたらしいことが記載されていて(212-213頁)、当時のオランダの「市民社会」がどんなものだったのか、ますます興味が湧く。次は、オランダ史の本を読んでみたい。
目次
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