読書状態: | 読み終わった | 期限日: | |
カテゴリ: | 政治 | 購入費: | 821 円 |
テーマ: | アメリカ | 入手日: | - |
タグ: | 読了日: | 2014/10/30 | |
公開度: | 公開 | 評価: | |
■ 蔵書メモ
フードスタンプに変わるSNAP(食料支援プログラム)によって潤う食品業界、スーパーチェーン、電子カード式に切り替えられたことで儲かる大銀行、これでは何のための低所得者支援だか分からない。ジャンクフードや飲料のせいで糖尿病にかかる貧困児童は増加。借金の罠にはめられる契約養鶏業者、家畜工場で最低賃金の1/10で働かされる囚人、遺伝子組み換え(GM)作物やGMサーモン、アメリカではGMのラベル表示は義務づけられていない。最悪なのは、GM作物が耐性を持つ除草剤をGM種子とセットで販売するやり方。GM種子以外の草は枯れてしまう。このGM種子はアメリカ国内だけでなく、イラクやインド、アルゼンチンなどに拡げられ、在来の作物を駆逐してしまう。デトロイトやニューオリンズでは、公立学校がチャータースクール(営利学校)に取って変わられる。組合への加入と支払いの義務化を廃止する労働権法の成立で、労働条件の悪い低賃金労働が増えていく。州会議に提出される法案草稿を検討する評議会ALECには企業や基金などの民間代表が所属、政策草案を作るのは多国籍企業で、日本の製薬会社も加わっている。企業の政治献金も無制限に認められるようになり、大量の政治献金が政界に流れ込み、マスコミは大統領選の巨額のCMで潤う。二大政党の対立と見せかけ、実際には二大政党に企業献金が寄せられ、国民の1%にすぎない富裕層の利益を優先する。
ショックなことだらけの本書の中でも、PPPの手法によりジョージア州で誕生した「完全民間経営自治体サンディ・スプリング」のj話には驚かされた。アトランタ近郊に住む富裕層が住民投票を行い、自分たちだけの自治体を作って独立してしまったという。
驚愕の、しかし真実味を帯びた記述で、アメリカの食品を食べるのが、ますます怖くなったし、GM種子がこれ以上拡散しないことを切に願う。これほど多国籍企業と政府の癒着の実態を暴いてしまって、著者は大丈夫なのかと心配になるほどである。
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